目指せ肉メン・肉食女性

2016年05月23日


「フレイルティ」「サルコペニア」という言葉をご存じだろうか。フレイルティとは、加齢とともに心身の活力(筋力や認知機能など)が低下し、生活するのに障害が生じたり、介護が必要になったり、亡くなってしまったりする危険性の高くなった状態のことを指す。いわゆる健康な状態と要介護の中間に位置する状態のことだ。

 以下のうち3項目以上が当てはまればフレイルティの可能性が高く、1~2項目ならその前段階と言われている。


(1)半年間で体重が2~3キロ減った

(2)わけもなく疲れる

(3)運動や体操などをあまりしない

(4)信号が青の間に道路を渡りきれないことがある

(5)ペットボトルのキャップが開けにくい


 サルコペニアとは、加齢によって筋肉量が著しく減ってしまうこと。個人差はあるものの、筋肉量は40歳を境に徐々に減少し始め、60歳を過ぎると年間で5%もの筋肉量が減ってしまうこともあるという。このフレイルティとサルコペニアが、食事を考える上で注意したい点だ。


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 健康な体でいるためには、どのような食事方法を心掛ければいいのだろうか。フレイルティ・サルコペニア研究を専門とする、筑波大学大学院人間総合科学研究科の山田実准教授に話を聞いた。


Q低栄養になる要因は何でしょうか。

山田 十分に食事が摂れずに低栄養になってしまう要因はたくさんあります。飲み込む力や噛む力、食欲の問題のほか、食習慣の変化があげられます。特に、食習慣に変化をもたらす加齢による食欲、味覚、嗅覚の変化は気付かないうちに進行してしまいます。「何だか最近食べられなくなってきた」という人は、そうした変化が起こっている可能性があります。また、加齢に伴い発症する病気も多くなります。慢性炎症状態が続くとエネルギーを消耗するので、同じ量の食事を摂っても早く消耗され、疲れやすくなってしまうことが考えられます。


Q健康な体でいるための対策を教えてください。

山田 フレイルティ・サルコペニアにならないためには、タンパク質をしっかり摂取することが重要です。加齢に伴いタンパク質の摂取量は少なくなってきますが、特に減少の程度が大きい人がフレイルティ・サルコペニアに陥りやすいと考えられています。75歳以上で基礎疾患がない場合は、1日1回肉や魚など加工食品を含めた何らかのタンパク質、そして乳製品を摂るようにしてください。

 乳製品については牛乳であればコップ1杯、ヨーグルトであれば1カップを食べてください。この程度の乳製品の摂取を続けていればフレイルティにはなりにくいことが研究でわかっています。ほかにも、1日5分でもいいのでウォーキングしたり、椅子に座ったまま足踏みをしたりするなど、無理のない程度で継続して運動することも予防につながります。


Q健康でいるためにはしっかりと食事制限をすべきでしょうか。

山田 個人的には糖尿病や重度な腎疾患などの基礎疾患がない限りは、過度に食事を制限する必要はありません。肉は1日何グラムまでなど過度な制限を設けてしまうと、食事をする喜びが少なくなりストレスもたまりやすくなるのではないでしょうか。ある程度自由に食べることで精神的ストレスの軽減につながると考えています。

 私の祖父はある時期までは好きなものを好きなだけ食べていましたが、糖尿病になったことでお米を何グラムと量って食べるようになりました。それについて子供ながらに違和感を覚えていました。過度な食事制限は精神衛生上良くないと考えています。


Q低栄養に陥る高齢者は多いのですか。

山田 割合としては、少ないです。近年、中高年に多いメタボリックシンドローム(内臓脂肪型肥満により、高血糖、高血圧、脂質異常となる状態)が注目を集めています。そのため、「食べ過ぎないこと」が注目されていますが、低栄養こそ高齢者が気を付けるべき症状だと思います。右の表を参考に、ご自身の体がどのような状態か、確認してみて下さい。


株式会社高齢者住宅新聞社
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