<終活> 「生きがい」「自分らしさ」求めて

2014年12月25日

 2010年に流行語大賞にノミネートされ、今では一般的に使われるようになった「終活」。シニアの中では「何かをしなくてはいけない」と思いながらも、何から始めていいかわからない人が多いようだ。今回は、「終活」分野で活躍している専門家の話を基に、終活とは何か考える。

 

 人生の最期に向けて、葬儀やお墓の準備、相続対策を生前にしておくなどの活動を指す「終活」。2009年、週刊誌から生まれた造語で、以降テレビや雑誌でも多数取り上げられた。

 リサーチバンクが昨年実施した調査によると、60歳以上の高齢者の約半数が「終活」という言葉を知っており、いまや一般的な言葉になってきている。一方で終活の一つとして語られる遺言書の用意やエンディングノートの作成を実際に行っているのはごくわずかであることがわかった。

 「終活という言葉が一人歩きしてしまい、その意味の捉え方が人それぞれで異なっている」と指摘するのは独居高齢者などの支援を行うNPO法人トータルライフサポート(東京都港区)の三国浩晃理事長。「重要なことは自分らしく生きること。それを実現させるためのものが終活であり、単に遺言書やエンディングノート、葬儀、墓というテーマで終わらせてはいけない」と三国理事長は話す。

 葬儀費用などのための短期保険を扱うNP少額短期保険会社(東京都千代田区)の倉田琢自代表は、終活が話題になり始めた背景には、核家族化が影響しているという。かつては祖父母と一緒に暮らすのが一般的で、家長制が主流だったため、相続に関するトラブルも現代ほどではなかったという。家族間のトラブルとして多いのが、相続問題。これについては(社)東京都相続相談センター(東京都港区)の坂本知昭代表理事長も同様、「核家族化が進み、家長制が少数派になった。以前に比べ、兄弟間あるいは親族間における権利意識が強くなった」と語る。最近では離婚率の増加により、家族構成が複雑化していることも相続問題の一因とみている。

 倉田代表は「終活という言葉が商業的に使われている。終活とは、この希薄化した家族関係を再構築していくものである」と家族間におけるコミュニケーションの重要性を強調。「物理的に難しくても、一緒にいる空間や時間をつくり、共有することが必要。その方法として、家族写真を撮ることを奨めたい」(倉田代表)。

 日頃から家族と会話ができていれば、エンディングノートを書く必要はない。家族に自分がどうしたいかを伝え、生きがいのある人生を実現させるためには、「自分のやりたいことを全て書き出すこと。自分なりの未来地図を描くことが大切。作成したエンディングノートを独りよがりにしないためにも、書いて終わりにするのではなく、それを家族に話す機会を設けてほしい」と倉田代表は語る。

(以下省略)

株式会社高齢者住宅新聞社
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