認知症カフェ 朝食好評

2015年12月15日

 在宅療養者の訪問看護などを行っている一般財団法人名古屋市療養サービス事業団(名古屋市)は、認知症の人や家族らが交流する「まちかどカフェ~認知症カフェ~」を今年の夏、同市千種区にオープンした。


 名古屋市療養サービス事業団は、市内で介護相談やリハビリ体操を行う「まちかど保健室」を運営しており、その一画を利用して今年の夏から認知症カフェを開始した。
 「名古屋は喫茶店文化が発達しており、朝食は喫茶店でとる人が多いです。認知症になってから喫茶店を利用できなくなった高齢者の声を多く聞いてきました。そういった人達が集まれる場所を作りたく、朝食を提供する『まちかどカフェ~認知症カフェ~』を始めました」と加藤裕子在宅療養部介護支援課長は語る。
 カフェは月、水、金曜の週3回、9時30分から12時まで開放し、60~80代のボランティアが運営を手伝うほか、ケアマネジャー資格を持った保健師や看護師が常駐し、相談にも乗る。
 認知症患者や家族のほか、認知症予防に関心がある人なら誰でも利用することができる。不特定多数の利用を見込んで保健所に営業許可を取っているので、一般的な認知症カフェと異なり、厳しい衛生基準などをクリアしていることが特徴。
 利用者は、お茶代として100円を払えばコーヒーやパン、お菓子が提供され、朝のひとときをゆっくりと過ごすことができる。コーヒーを片手に利用者同士やボランティアと語らう姿が見受けられる。現在では毎回20~30人の利用者が訪れ、中には市外から来る人もいるという。
 地域包括支援センターと連携をしており、毎回来る利用者が2週間程来なかった場合、家族などの同意のもと、電話連絡や見守り支援を行う。また、国立病院機構名古屋医療センターの医師、看護師、ソーシャルワーカーらが月に1回来訪し、がん予防講座が開催されている。
 「誰でも気軽に来られるように週に3回の開催にし、毎回来る利用者に負い目を与えないようにお茶代を徴収しています。ボランティアも同様です。また、インターネットなどで検索できるように、店名に敢えて『認知症』というワードを入れています」(加藤課長)
 月見の際には抹茶を提供するなど季節に合った催しも開催している。
 利用者からは「ここに来ると遠慮なくおしゃべりできるから嬉しい」、「いつ来てもやさしく受けとめてくれる」、「家にいると誰にも会わないし、喫茶店でもお話できないけれどここに来ると誰かと必ずお話できるので楽しい」という声があがっているほか、家族が利用者本人の要介護認定結果や認知症の状況について、職員に気軽に胸のうちを話したり、相談を受けたりすることができるので、大変助かるなどという感想があがっている。

株式会社高齢者住宅新聞社
Page Top