認知症500万人時代を生きる

2015年02月15日

恐れず向き合って

 65歳以上の高齢者のうち、認知症の人はおよそ500万人、予備軍と言われる軽度認知障害を含むと4人に1人の割合だ。10年後には700万人まで増える予測で、いまや認知症は、誰でもなりうる病気。もし認知症になったら、どのようなサービスが受けられるのか。事前に知っておくことで安心につながる。今年1月、初めて省庁横断的な認知症の国家戦略を策定。いまから知っておくべきサービス・活動を取り上げる。


 「徘徊にどのように対応したらいいのか、息詰まっている」
 60代の妻を介護する男性は打ち明けた。常時GPSを持たせているが外に出ている間に事故に遭わないか不安なうえ、家から出る際に男性も一緒についていこうとすると断られる。
 同じ、認知症の家族を介護する仲間たちにどうすべきか尋ねると、「携帯電話の通話機能をうまく活用している」「安全を第一にドアに鍵をかけて出られないようにしている」などたくさんのノウハウや経験をもとにしたアドバイスが得られた。
 これは若年性認知症本人と家族からなる任意団体「彩星の会」(東京都新宿区)が2ヵ月に1回開催している介護者交流会の1コマ。1月25日に開催された交流会では、家族と本人合わせて30名程度が参加した。
 当日、講演した東京都立松沢病院精神科の厚東知成医師は、介護者同士の意見交換を踏まえたうえで「認知症の人への施錠は最小限にした方がよい。行動制限されると本人はフラストレーションがたまってしまう」と専門家の立場からアドバイスした。
 認知症の支援団体は、家族会など介護者が集うものが一般的だが、同会では認知症の本人と家族の両方が交流会に参加することが大切だと考えている。認知症の発症後は、気軽に外出することが難しくなる。特に若年性認知症は65歳未満で発症するもので、身体は元気な人が多い。交流会には妻や夫と、中には子どもと一緒に参加する姿もあった。「本人と家族が一緒に出掛けるきっかけになれば」(事務局)という。
 この交流会に7~8年前より参加している介護者の男性は、「介護者同士で話すことで気が軽くなる」と述べる。「家族しか認知症の人は守れない」と言い、家族会での情報収集や自身でインターネットを使って調べ、自分たちに似合った介護の形を模索してきた。
 若年性認知症の夫がグループホームに入所しているという女性は、「入居させるのにすべて自分で情報を集めるしかなかった」と話す。若年性認知症は特に情報やサービスが不足してい

ることもあり、役所の窓口では支援の手掛かりになる情報は得られず、家族会や認知症カフェに参加したり、インターネットや本で受けられるサービスを探した。「グループホームは10施設以上見学して決めた」という。


認知症イメージ

怖くないものに
 認知症へのイメージは、「隠すべきもの」から「オープンにして他者と繋がるもの」へと変わりつつある。る。自分が認知症になったら、家族が認知症になったら、まずは同じ悩みを持つ仲間を見つけて繋がることから始めてみてはどうだろうか。

(以下・省略)

株式会社高齢者住宅新聞社
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