広がる保険外サービス
消費者の選択肢、多様に

2015年09月24日

品質の担保に問題も


ケアプラン以外の

訪問などが該当
 介護保険サービスは、「保険が適用されるサービスが予め定められている」「利用者の要介護度によって利用できるサービス量(利用額)に制限がある」「個々の身体状況などに応じて定められたケアプランに沿って利用する」という決まりがある。この決まり以外のサービスを利用する場合は、介護保険が適用されず全額自己負担となる。
 このためケアプランを作成する場合は「利用限度額以内で」という考えに則るケースが多いが、中には「費用は掛かってもいいから、保険適用外のサービスも提供して欲しい、ケアプランにない介護保険サービスも利用したい」という利用者もいる。
 こうした要望に応じるために存在するのが「保険外サービス」だ。
 保険外サービスを広い意味で言えば「高齢者の生活を支えるサービスのうち、介護保険で利用できるものを除く」ということになるため、その内容は非常に多彩だ。したがって、保険外サービスという言葉を見たり聞いたりした場合は、そのサービスが指し示す内容をしっかりと確認することが重要となる。
 保険外サービスは、大きく以下の様なものに分類される。


価格や内容など

自由に設定可能


◎介護保険サービス事業者が、介護保険に定められたサービスを保険外で提供する。
 例えば、サービス付き高齢者向け住宅や住宅型有料老人ホームなど、住まいの契約と介護サービス契約が一体でない住宅では、入居者の部屋に訪問して排泄介助などを行う行為は、ケアプランに基づく訪問介護サービスとして行われることが一般的だ。しかし、入居者の状態によってはケアプラン上の訪問介護だけでは十分なケアが行えない場合もあるし、入居者からのコールに対応して排泄介助などを行わなければならない場合もある。こうした場合には、保険外サービスとして行うことになる。その費用は「月額○○円」として固定費で家賃や管理費などと一緒に請求されることもあるし、「15分○○円」などという料金体系で実際の利用回数や時間に応じて支払うこともある。
 また、介護付有料老人ホームや特養に入っている人は、デイサービスは利用できない。しかし「入居している介護付有料老人ホームの近所のデイサービスに友人が通っているから、自分もそこで一緒に過ごしたい」といった場合には保険外で利用することになる。
◎介護保険サービス事業者が、介護保険に定められていないサービスを提供する。
 デイサービス事業者が、保険外で宿泊サービスを提供するケース(いわゆるお泊りデイ)が代表的な存在といえる。このほかにも、訪問介護ヘルパーが訪問介護サービスを行う前後に、ペットの世話や同居家族の食事作りなどといった介護保険が適用されないサービスを行う例などが挙げられる。


◎介護保険サービス事業者以外が、介護保険に定められていないサービスを提供する。
 見守りサービス、家事代行、配食など多様なサービスがある。サービス提供者も、大手スーパー、警備会社、マンション管理会社などのほかNPOやボランティア団体など多彩。

 こうした保険外サービスについては、近年手掛ける法人が増えてきている。介護保険サービス事業者には、介護報酬が引き下げになる中で新たな収益源を確保する必要性が生じている。また、介護保険サービス事業者以外では、これまで来店していた利用者が、高齢化により来店できなくなるなどのケースが増えており、その対応が急務になっていることも理由のひとつだ。消費者からすれば、自分の身近なところに多様なサービスが存在する形になるため、これまでよりも利用しやすくなったといえる。しかし、実際に利用するに際しては注意点もある。

 介護保険サービスは、その提供に際して、事業者は自治体から介護保険事業者として指定を受ける必要がある。また、必要な資格、人員などが定められており、またサービス利用時の負担額も一定となっている。つまり、サービス品質についてはある程度の質が担保され、費用も透明性が高いといえる。
 それに対して保険外サービスは、介護保険サービスを全額自己負担で利用する場合を除き、品質が担保されておらず、利用価格も事業者が自由に設定できる。そのため、中には「費用は高いが質は今ひとつ」というサービスが存在するケースも考えられる。利用にあたっては、情報を十分に集め、品質と価格のバランスをよく考えることが重要と言える。

株式会社高齢者住宅新聞社
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