見守りから財産管理まで
成年後見制度の利用手順

2016年08月01日

 病気や障害で判断能力が十分でない人を見守ったり、本人に代わって財産管理をしたりする「成年後見人」の存在をご存じだろうか。今年4月には制度の普及を目指す「成年後見制度利用促進法」が成立した。認知症や独居の高齢者が増加するなか、元気なうちから自分の意思を伝えられる同制度の仕組みを理解しておきたい。

 「元気なうちに自分の意思を伝えられることができてよかった。これからは、安心したゆとりある生活を送れる」
 そう話すのは、成年後見制度を利用している千葉県成田市に住む山本すみこさん(71歳・仮名)。山本さんは昨年9月、訪れた葬儀イベントで1人暮らしであること、それに対して不安を抱えていることを会場のスタッフに告げると、それならとスタッフが電話をかけ始めた。
 電話の相手はNPO法人市民後見太陽の代表理事を務める神時夫さんだった。話を聞いた神さんがすぐに会場に駆けつけてくれた。制度を利用すると見守りや認知症発症後の対応、看取りや死後の財産整理まで全て請け負ってもらえることを知り、神さんに自分の「任意後見人」になってもらうことを決心。必要な書類を揃え、「任意後見契約」を結ぶことができた。
 神さんは山本さんの経済状況を考えたうえで、見守りサービスの報酬を決め、月数回自宅へ訪問。また、無料で受けられる行政サービスはないかと探し、成田市が希望者に配布しているベルを用いた緊急通報サービスや、ヤクルトや民生委員による見守りサービスを山本さんに利用してもらっている。神さんが毎月開催している成年後見に関する勉強会にも参加してもらったところ、自分で市のサービスの利用申請までしたという。
 「何かあったときのために自宅のカギも渡しているの」と山本さん。神さんは「市民後見人の利点は、地域の事情をよく知っているので、地域サービスを最大限に活かした見守りができること」という。


(以下・省略)

株式会社高齢者住宅新聞社
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