核家族化が進む中、高齢者が高齢者の介護をする「老老介護」や、認知症高齢者が認知症高齢者を介護する「認認介護」が社会問題化している。
入浴、移乗、食事、排泄など肉体的にも負担の大きい介助は、介護施設で働く若い職員ですら重労働で、腰痛などを患うケースも多い。
家族ができるだけ長く幸せに暮らすために、老老介護問題の現状と対策について考える。
「老老介護」深刻化
老老介護や認認介護などによる介護疲れから、痛ましい事件が相次ぎ、マスコミで報道されることも多くなった。
核家族化を背景に、自宅で暮らす要介護者と介護者が65歳以上同士の世帯は51・2%で、75歳以上同士の世帯も29%に上っている。
自宅で介護する半数以上が「老老介護」に直面している。
「3年前に夫が脳溢血で倒れた後、手足に麻痺が残った。介護保険を使ってリハビリのためにデイサービスへ通っている。
だいぶ回復はしたが、やはり自宅での入浴やベッドからの移乗などが体力的にきつい」と話すのは横浜市内に住む小林とも子さん(73歳)。
特に、不安を感じていたのは自身の体力面だったという。「自分も足腰が弱くなってきて将来に不安を感じるようになった。
「趣味」「スポーツ」で元気に
そんな時に友人が誘ってくれたのがグラウンドゴルフ。
車椅子でもできるため、今では夫と2人で楽しんでいる」と嬉しそうに話し、「病気やケガは、この年なら当たり前のこと。そう思えるようになって気持ちが楽になった。
2人で楽しめる趣味を見つけることができて、家庭に以前のような明るさが戻った」と語ってくれた。
(つづきは紙面にて)