介護食品に新表示制度

2018年01月15日

「スマイルケア食」運用本格化


 農林水産省が2015年から取り組んできた、介護食品の新しい表示制度「スマイルケア食」が本格的にスタートした。介護食品と呼ばれてきた食品の範囲を整理し、噛んだり、飲み込んだりすることに問題のある人など向けに基準を統一。健康維持上栄養補給が必要な人向けの食品に「青」マーク、噛むことが難しい人向けの食品に「黄」マーク、飲み込むことが難しい人向けの食品に「赤」マークを表示し、それぞれの状態に応じて介護食品を選択しやすくしている。




 スマイルケア食とは、新しい介護食品の愛称。高齢者のみならず、噛む・飲み込むという口腔機能や、栄養に関して問題がある人たちに、幅広く介護食品を利用してもらえるようにするのが狙いで、今年6月から新表示制度による運用が本格化している。




 スマイルケア食の制度が検討され始めたのは2015年2月。農林水産省が中心となり、厚生労働省、消費者庁などと連携しながら、介護食品市場の拡大を通じて健康寿命の延伸につなげるための検討を開始。医療・介護関係者、食品メーカー、流通業界などを交えて意見交換を行い基準を決めた。
 16年には、認知度向上のための研修会の開催や優良事例などの収集を行い、スマイルケア食の分類マークの策定とともに運用をスタート。今年6月から小売店などで新表示制度による介護食品の販売が開始され、本格的な運用が始まった。




 スマイルケア食の対象者は、原則、在宅の高齢者や障がい者。「噛むこと・飲み込むことに問題がある人」「そうした問題はないが栄養状態が悪い人」とされているほか、「このような状態に移行する恐れのある人」も対象としている。スマイルケア食の普及に当たっては、配慮すべき点として、栄養状態の改善やQOLの向上だけでなく、おいしさ、見た目の美しさ、食べる楽しみや入手のしやすさなどが挙げられている。また、治療食や病院食、形状がカプセル・錠剤のものは対象からは外されている。




 多様な介護食品が市場に出回っている中、小売店などで商品を選択する際に、それぞれの状態に応じて「スマイルケア食」を混乱なく選ぶことができるように、選び方の早見表が作成されている。
 早見表は、それぞれの利用者の状態に応じて問いに答え、矢印に沿って左から右に進んでいくと、適切なスマイルケア食が選べるという構造になっている(1面、表参照)。商品には3種のカテゴリーが設けられ、それぞれ「青」、「黄」、「赤」のマークによって簡単に見分けられるよう表示を工夫。さらに、「黄」マーク表示の食品群を4段階、「赤」マークを3段階に分けることで、これらを直接の利用者だけでなく、スマイルケア食の選択に関わる業者等も利用しやすいよう配慮されている。



 スマイルケア食の分類マークについては、専門家からなるワーキンググループで運用ルールなどに関する検討が行われ、2015年12月に基本的な考え方が取りまとめられた。利用者が病院や介護施設と自宅の間を行き来するような場合にも、混乱なくスマイルケア食を選ぶことができるよう、日本摂食嚥下リハビリテーション学会の「学会分類2013」や日本介護食品協議会の「ユニバーサルデザインフード(以下・UDF)」など、既存の分類と整合性を持たせることなどを考慮して制度のあり方が整理されている。「青」マークは農林水産省の要領に基づいて自己適合宣言を行う仕組みの対象とされ、「黄」マーク2~5はJAS(そしゃく配慮食品の日本農林規格)の対象、「赤」マーク0~2は消費者庁の特別用途食品の表示許可制度(嚥下困難者用食品)の対象として、農林水産省に対してマークの利用許諾を申請することとなっている。


本紙に続く

株式会社高齢者住宅新聞社
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