住居、遺産相続の対象外

2018年02月15日

民法 2020年抜本改正



 20176月、民法の契約に関するルールを大幅に見直す民法改正法が成立し、公布された。今、20年の施行に向け活発な議論が行われている。民法が制定されて以来の最も大きな改正で、高齢化に対応するため、遺産相続については抜本的な改革案が法制審議会の相続部会より出された。このほかにもシニアの暮らしに密接に関係する内容が多く含まれている。

 


 終活が根づいてきた今、民法改正の議論の中で、シニアの関心が最も高いのが遺産相続についてだろう。民法の相続分野の見直しを進めている法制審議会(法相の諮問機関)の相続部会は116日、改正要綱案をまとめた。1980年に配偶者の法定相続分を3分の1から2分の1に引き上げて以来の実に約40年ぶりの相続制度の抜本改正となる。


 介護施設などで相続や成年後見制度の講演を数多く行っている有明国際法務事務所(横浜市)の松本康二代表は、「いつかは必ず訪れる相続の問題。相続を円満に終わらせるか、それとも親族が遺産を巡って争ってしまうのか、その分かれ道は正しい知識と事前の準備にある」と話す。 


 今回の相続における改正要綱案のポイントは、(1)超高齢社会への対策、(2)自筆証書遺言を巡るトラブル防止、(3)相続の不公平感の是正、(4)金融機関の仮払制度の創設、(5)不動産登記の義務化の5つ。政府は今年の通常国会に民法改正案を提出する。

 

 


配偶者に居住権 新設

 


 (1)の超高齢社会への対応では、故人の配偶者(夫または妻)の平均寿命が伸び、親と同居しない子供が増えていることに配慮。現行法では、相続人は相続開始時から、原則として被相続人(故人)の財産を引き継ぐため、居住用の土地・建物は遺産分割(メモ参照)の対象になる。仮に夫が亡くなったとした場合、夫が所有していた建物に同居していた妻(配偶者)が、遺産分割のために自宅の売却や退去を迫られて住み続けることができなくなるケースがあった。そこで、改正要綱案では、遺産分割における配偶者保護として、こうした事態を避けるための見直しを図った。

【紙面に続く】

株式会社高齢者住宅新聞社
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